スキーをはじめた頃
私は20歳のころ準指導員の友達に誘われてスキーを始めました。
はじめは右に行きたいのに左に行ったり、
止まりたいのにどんどん加速したりと、なかなか思うように滑れず、
こんなに自分には向いていないのか・・・何が面白くて寒い中滑っているのだろう?
と真剣に悩んだものです。
しかし安比のスキースクールや奥志賀の杉山スキースクールで、
転び方から基本を教えてもらったため(合宿のため投げだせない状況にあった)、
特に大きな壁に当ることもなく、今ではどの斜面でも楽に滑れるようになりました。
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当時のスキー場
当時は映画「わたしをスキーに連れてって」の影響もあり、ものすごいスキーブームで、
スキー場に向かう高速道路は深夜なのに東京からスキー場までの大渋滞。
スキー場に着いてもリフトやゴンドラに乗るために何十分も待つような大行列。
食事をしようにも席がなかなか空かなかったり、
リフト待ちでは無理に(得意げに)割り込みをする人、
ゲレンデでは自分の能力を遥かに越えて暴走する人、
レストハウスでは全然滑らないで上手そうにしている人などもいました。
しかし八方尾根の兎平や黒菱などコブの名物コースでは皆が競い合って滑りを披露し、
特徴的な容姿の名人やかなり上手い地元の女の子なども現れ、
またそれを見物に来る人も集まって、冬山の上で行われる一種のお祭りのような状態で、
ある意味とても面白かったものです。
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最近のスキー場
スキーブームも去り、にわかボーダーも減り、
人気のある場所以外のゲレンデには人もまばらで、
リフトがお客さんを待っているような少し寂しい状態になりました。
人とワイワイやったり人に滑りを披露する楽しみは減りましたが、
とても滑りやすくなったし、
なかなか登れないような冬山のてっぺんに上って神々しく美しい山々を眺めたり、
雪化粧をした静かな森の中を滑っていると、
地球の重力を感じながら自然や自分自身と対話しているようで、
とても気持ちがいいものです。
また、子供のリフト券を無料や割引しているところも多く、
当時のスキーヤーが子供を連れて戻ってきているようで、
子供用ゲレンデが賑わってきています。
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最近の滑り
カービングスキーの登場により滑り方が明らかに変わりました。
昔はなるべく足をピッタリ閉じ、膝を捻り込んでターンしたり、不必要に細かくターンしたりと、
運動的に少々疑問を感じる滑りが上等とされていましたが、
今では肩幅くらいに自然に足を開き、板のほぼ真上に乗り、
コンパスで綺麗な弧を描くような、
より無理なく合理的な滑りがやりやすくなってきました。
おそらくスキーの進歩と共に今後もより合理的に滑りやすくなっていくことでしょう。
ただハイスピードターンが楽になったためか、
かなりオーバースピードで大回りを滑る人をよく見受けます。
ある時はずらし、ある時はジャンプし、ショートターンもし、
確実に弧とスピードをコントロールして滑ってほしいものです。
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まだスキーをやったことがない人へ
スキーが苦手な人や流行ものが好きな人が去ってしまい、
ゲレンデには初心者や初級者が少ない状態ですが、
普段登れないような雪山の中を生身の体ではなかなか出せないスピードで、
地球の重力を感じながら滑るとても楽しいスポーツなので、
是非とも挑戦してみて戴きたいと思います。
周辺の人の話を聞くと、初心者を頂上に連れていき、
そこから勝手に滑らせる酷い人がいるようなのですが、
そんなことをされたらトラウマになってしまいます。
初めは優しい人と一緒に行くか、スキースクールに入って基本から教えてもらいましょう。
最初の何回かは上手く滑れなくてショックを受けると思いますが、
はじめから誰も歩けないように誰でも上手くは滑れません。
そのうち自由に気持ちよく滑れるようになりますよ。
普段登らないような冬山で
音が消える澄んだ空気の中
地球と対話しながらその土地に降る水の結晶の上を滑り
その水から出来る作物やお酒を堪能し
その土地の地熱で湧いた水で心と体の疲れを癒す
是非挑戦してみてください!
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何らかの理由でやめてしまった人へ
今は道路もリフトもすいています。
ゲレンデの食事もおいしくなり、宿もリフト券もだいぶリーズナブルになりました。
板の性能も急速に向上し、驚くほど楽に滑れるようになりました。
ウエアーの防水性や保温性の向上と軽量化で、薄着でもだいぶ寒くなくなりました。
一時期多かったゲレンデ中央に座り込むボーダーも減りました。
美しい雪山の中を気持ちよく滑れます。
もう一度はじめてみませんか?
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今後も自然との対話を楽しみながら、
より無駄の少ない滑りを求めていきたいと思います。
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