Nature 自然について
月火水木金土日

「月火水木金土日」は一週間の曜日ですが、どの言葉も人の心に訴えかける力が強いものですね。

我々の事務所では時々「月〜日」を意識しながら設計しています。

月:月を見ながら食事をしたり、お風呂に入りながらお月見したり、
  ベッドで寝ている時に月が見られると楽しいと思います。
  月は太陽とはまた違ったエネルギーを与えてくれそうです。

火:火は遺伝子レベルで感覚に訴えてくる感じがします。
  暖炉の炎を眺めながらお酒を飲んだり、七輪で炭火焼きを楽しんだり、
  木の燃える音や香り、炎の揺らめきは安らぎを与えてくれます。
  火力の強いコンロで美味しい料理が作れるのもいいですね。

水:水は管理が難しいけれど、水面を見ていると心が落ち着きます。
  海や川のそばなら水面を眺めたいし、光の揺らめきを天井に映したいものです。
  水辺がなければ、積極的に水盤を取り入れるのもいいかもしれません。
  お風呂の水に日光が差し込んでいるだけでも気持ちが良さそうです。

木:大きな木は何かエネルギーを与えてくれるような気がします。
  庭に元気のいい植栽があると、家の中も元気になってきそうです。
  四季を感じさせる植栽があると、時の移り変わりを楽しめそうです。
  室内の仕上に本物の木を使うと、時が経っても風合いが増してくるし、
  部屋の空気感も落ち着いた感じになりますね。
  薪釜で焼くピザは香ばしくて美味しいです。

金:成り金趣味の家は作りたくないけれど、
  気の循環が良い間取りにすると、お金の循環も良くなりそうです。
  お金は世の中の血液のようなもの。流れを良くしたいものです。
  金属は使い方を間違えないようにして使いたいものです。

土:母なる大地。塞いでしまってはもったいない。
  草地に寝転がると、大地の熱や力を感じることができます。
  大地から肉体が生まれ、作物を実らせ、飲み水を貯え、
  肉体が死んだらまた大地へと還り、栄養素となってまた生まれ変わる。
  陸地の生き物本来の循環は意識したいものです。
  室内に土間があったり、壁が土壁的だったりするのも良さそうですね。

日:冬は太陽の光が沢山室内に入りこむ居間でポカポカと暖まりたい。
  夏は陽射しを遮って、風が抜ける涼しい部屋で昼寝をするのが気持ち良さそう。
  外部の視線を遮りつつも日の光を上手く取り入れて、
  照明空調ばかりに頼らず明るく快適な家になるといいですね。
  
太陽がないと我々の生活は成り立ちません。

040611

自然の美しさ

自然は我々の生活に必要な環境や栄養などを与えてくれます。
学ぶべきところも非常に多く、感動も与えてくれ、時には我々の命を奪ってしまうほど恐いものでもありますが、我々にはなくてならない素晴らしい物であると思います。

中途半端な美術作品より、空や海、サンマや白菜の方が美しく感じられたりしますが、なんでそんなに美しいのか考えてしまいます。
飛びたいと思い飛び続けてきたもの、泳ぎたいと思い泳ぎ続けてきたもの、生きたいと思い生き続けてきたものである生命体は、何万年にもわたって突然の環境の変化にも対応し、無駄は省かれ、必要なものは身に付き、洗練され続けながらその時々の環境に適合して生き残ってきたものであるため、完成度が高く、美しく(機能美ともいえる)、物事の摂理から外れていないのも当然のことなのでしょう。
それにしても良く出来ています。

040529

不自然な生命体

自然の生物は、神秘的なほど完成度が高く感心させられたりするものですが、生命体にも進化の過程で不要な機能を持ったもの、流行りに乗っただけのものや、不良品もたびたび登場してきたようで、そのような生命体は「不自然」なものとしてすぐに淘汰され、結局今日までは「自然」として残っていないようです。建築物と似ているかも。

我々人間は不自然なのではないかと心配になっていますが、宇宙の秩序から不自然の判定がなされた時には、すみやかに消えていくことになるのでしょう。
なんかこのままだと消えそうで心配です。

040529

物と生命

自然には生命体とそうでないもの、有機物と無機物があると思いますが、どちらもひとつのエネルギーから分裂して出来た宇宙そのものであり、存在の仕方として原子や意識などの集まりかたが違うだけで、同じ秩序の上に成り立っているものと思います。

素敵な人に会うといいエネルギーが感じられ、こちらの気分や状況も良くなってきたりしますが、逆に悪い人と会うと心の状態が悪くなったり怪我をさせられたりしますし、綺麗ないい状態の水や石などに触れると心がいい状態になるみたいだし、逆に産業廃棄物や放射線物質など状態の悪そうな物に触れると、運が悪くなったり病気になったりすると思います。

同じ物でも、いい細工が施されたり、配慮が行き届いていたり、大切にされるなどしたものだと イキイキとした感じがしたりしますし、心が入っていないものからは何も感じなかったり、ワラ人形や首塚みたいなものからはイヤーな感じがします。

人間同士は会話をしたりしながらコミュニケーションをとったり、人と動植物も触れあったりしながら心のやりとりがあったりしますが、生命体と物との間にも心のやりとりがあるのではないでしょうか。

周りの人や動植物との関係を良好にするのは自分のためになると思いますが、身の回りの物や空間、環境に対する心配りも自分のためなることと思います。

040529

樹木

木は大きなものになると、かなりの大きさがあります。
あんな大きさの人工物を街なかに置いたら、普通ものすごい圧迫感があるものですが、大木は圧迫感を感じさせないどころか、安らぎまで感じさせてくれます。

木は全体的な樹型から根や枝葉などのディテールまで、とても美しく一貫した秩序で成り立ち、春は新緑、夏は日射しを遮り、秋は紅葉、冬は日を沢山地面に落とし、季節感も感じさせてくれます。

木の幹(樹皮)を見ると、決して明るい色ではないし、ザクザクしていたりボツボツしていたり、普通のデザインの感覚ではやらないような表情をしていますが、決して嫌な感じはせず、切っても断面(木目)は美しく、身体は木材や紙、燃料にもなり、非常に役に立ちます。

幹には二酸化炭素を閉じ込め、根には水を貯え、葉っぱからは我々が生きるために必要な酸素を出し、中にはすごい花を咲かせたり、いい香りを出したり、芽や果実が美味しい食べ物になったりするのもありますね。

こんなに素晴らしいものが身近に沢山あって感謝したいと思います。



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